- 井戸水に浄水器を付ける前の確認事項
- 用途と水質に合う浄水器の選び方
- 飲用の安全確保と設備保全の違い
- 井戸水利用時におけるエミールの役割
井戸水に浄水器が必要かどうかは、見た目やにおいだけでは判断することはできません。飲み水にするのか、洗濯や入浴に使うのか、給湯器まで通すのか。まず用途を分けたうえで、水質検査の結果と装置の仕様を照らし合わせる必要があります。
特に飲み水として利用する場合、見た目が透明で、においが気にならなくても、安全とは判断できません。浄水器を選ぶ前に、自治体や保健所、水質検査機関へ相談し、お住まいの地域や井戸の状況に応じた検査項目を確認しましょう。
井戸水に浄水器を付ける前の水質確認
地下水の水質は、地質や地形、土壌、周辺の土地利用などの影響を受けます。同じ地域の井戸でも、深さや取水する地層が異なれば、含まれる成分も異なる場合があります。「深井戸だから安全」「近所で飲めているから自宅の井戸水も安全」といった判断は避け、水質検査の結果をもとに確認しましょう。
参考:内閣官房「地下水の基礎」
水源名ではなく水質検査結果での判断
井戸水を飲用に利用する場合は、使用開始前に水質検査を行い、飲用に適しているかを確認することが重要です。環境省の「飲用井戸等衛生対策要領」では、家庭用の井戸についても定期的な水質検査を行うことが望ましいとされています。検査項目には一般細菌、大腸菌、亜硝酸態窒素・硝酸態窒素、臭気、色度、濁度などが含まれ、地域の地下水の状況によって追加の項目が必要になることもあります。
新しく井戸を設置する場合は、井戸の位置や構造も含めて自治体の窓口へ相談するとよいでしょう。
また、使用中の井戸水について、味やにおい、色、濁りに異常を感じたときは、飲用を中止し、所管の保健所や水質検査機関などに連絡して指示を受けましょう。
飲用、生活用・給湯用で異なる確認ポイント
飲用では、微生物や有害物質などについて、水質基準に照らし合わせ安全性を確認することが優先されます。
水道水の水質基準は、2026年4月1日からPFOS及びPFOAを含む52項目となっています。ただし、家庭の飲用井戸で必要となる検査項目は、地域の地下水の状況や井戸の用途によって異なる場合があります。検査項目を自己判断で絞り込まず、自治体や水質検査機関へ確認してください。
洗濯や入浴、掃除などに使う生活用水では、鉄分やマンガンによる着色、濁り・においが使い勝手に影響することがあります。また、井戸水を給湯器に通す場合は、水質によっては機器や配管に影響を及ぼす可能性があるため、硬度や含有成分が機器メーカーの定める使用条件に適合しているか確認することが重要です。水質検査は「飲めるかどうか」だけを判断するものではありません。実際に困っている症状や、接続したい機器の使用条件も含めて結果を確認しましょう。
井戸水用浄水器を選ぶ際のポイント
浄水器を比較するときは、製品名や「井戸水対応」という表示だけで判断せず、どの物質を、どの程度まで除去できるのかを確認することが重要です。水質検査で確認された物質の種類や濃度を販売店やメーカーに伝え、その装置がどの水質条件まで対応できるのかを確認しましょう。
また、設置する範囲によっても必要な性能は変わります。飲用の蛇口だけを処理するのか、家全体の給水を処理するのかによって、必要な処理能力や配管工事が異なります。家族が同時に水を使用する時間帯も想定し、必要な流量や能力を確認しておきましょう。
砂・鉄分・マンガン・においなどの除去対象物質
井戸水の濁りや着色、においは、原因となっている物質によって必要な処理方法が異なります。固形物、鉄分・マンガン、においの原因物質をまとめて「汚れ」として考えてしまうと、選んだ装置が目的に合わない可能性があります。見た目やにおいだけで原因を判断せず、水質検査の結果をもとに適切な処理方法を選びましょう。
また、除去できる物質だけでなく、以下の点も確認することが大切です。
- 対応できる濃度の上限
- 処理後に想定される水質
- ろ材・フィルターの交換条件
- 処理に伴う排水の有無
- メンテナンス方法
複数の水質上の問題がある場合、1台の浄水器ですべてに対応できるとは限りません。前処理と浄水器を組み合わせる方法や、用途ごとに処理を分ける方法なども含め、販売店やメーカーに相談しましょう。
設置範囲・流量・維持費の確認
蛇口に付けるタイプの浄水器は、飲用や調理に使う水を限定して処理できます。一方、給水元に取り付けるタイプは、入浴や洗濯を含む家全体の水を処理するため、複数の蛇口を同時に使用した場合でも必要な流量を確保できる性能が求められます。給湯器の手前に設置する場合は、給湯器メーカーが定める使用水の条件や必要な水量に、浄水処理後の水質・水量が適合しているか確認してください。
また、費用は本体価格だけで比較するのではなく、設置工事、ろ材・フィルターの交換、洗浄、排水、電気代、定期点検までを含め、年間の維持費まで考えて比較することが大切です。交換部材の入手方法や、メンテナンスを依頼できる業者さんなどについても、導入前に確かめておくと安心です。さらに、設置スペースや凍結対策、排水先などが必要な装置は、事前に現地調査を受けてから機種を選びましょう。
浄水と給湯設備のスケール対策は目的が違う
浄水と給湯設備のスケール対策は同じではない
浄水の目的は、水質検査などで確認された対象物質を除去・低減し、用途に適した水にすることです。飲用として利用する場合は、処理後の水についても必要に応じて水質を確認することが重要です。一方、スケール対策の目的は、カルシウムやマグネシウムなどを含む水によって、給湯器の熱交換器や配管などにスケールが付着することを抑え、設備への影響を軽減することです。
つまり、飲用の安全確保と給湯設備の保全は、目的が異なります。
浄水器を設置したからといって、必ずしも給湯器のスケール問題が解消されるとは限りません。また、スケール対策を行ったからといって、飲用に適した水になるわけでもありません。
それぞれの目的と役割を分けて検討することが大切です。
飲用水の安全性は、水質検査の結果や浄水器の性能、浄水処理後の水質検査数値などで判断します。一方、給湯設備の保全は、硬度などの水質、給湯器の機種、配管の材質や状態、水の使用量などを総合的に確認します。井戸水に対応した給湯器であっても、メーカーが定める水質条件や施工条件があるため、機種ごとの取扱説明書やメーカーの仕様を確認してください。
水質検査で飲用上の問題が見つかったときは、自治体や検査機関の案内に従いましょう。給湯器に湯量の低下、エラーが発生するなどの症状が見られる場合は、機器の点検も必要です。原因は一つとは限りませんので、水質と機器の両側から確認しましょう。
新設で用意しておきたい情報
新築や井戸を新設する場合は、以下の情報をあらかじめ整理しておくと、浄水器や給湯設備を選びやすくなります。
- 水源の種類
- 井戸の深さ
- 水質検査結果
- 飲用・生活用・給湯用などの用途
- 予定している配管
- 同時使用時に必要となる水量
浄水器と給湯器の設置位置も事前に検討しておくと、必要な配管スペースや排水、電源などを設計に反映できます。
井戸水利用時におけるエミールの役割
家庭用水処理システム「エミール」は、井戸水の不純物をろ過して飲めない水を飲めるようにする浄水器ではありません。水質を変えるのではなく、給湯設備や配管へのスケール付着を抑えるための選択肢です。井戸水を飲み水にする場合は、エミールの設置とは別に、水質検査と必要な浄水処理を検討してください。
給水元1ヵ所に設置する仕組み
エミールは蛇口に付ける装置ではなく給水元に設置するタイプの水処理システムです。ステンレス製の筐体の中に、モンモリロナイトを高温で焼成したセラミックスを充填し、水を下から上へ通すことで、セラミックスを流動させる構造をしています。
家庭用JHW型の最大処理流量は毎分30リットルで、給水元に設置した1台で給水・給湯・排水を含む家全体の水を処理します。エミール本体は電源を使わず、フィルター交換や洗浄も不要です。
詳しくは「家庭用エミールの特長・メリット」をご覧ください。
採用実績
エミールは、長府製作所様の井戸水対応エコキュートに採用されています。使用水質などに一定の条件はありますが、スケール対策に特化した機種となっておりますので、井戸水でエコキュートを使用する際には、是非ともご検討いただきたいと思います。
水質と用途を確認して適した対策へ
井戸水に浄水器が必要かを考えるときは、まず「何に使う水なのか」を整理し、そのうえで水質検査を行うことが重要です。
検査結果から必要な処理を確認し、浄水器を選ぶ際には、除去対象物質だけでなく、必要な流量、設置工事、交換部材、メンテナンス方法、年間の維持費まで比較しましょう。
また、飲用の安全確保、生活用水の使い勝手、給湯設備の保全は、それぞれ目的が異なります。
飲用や浄水器については、自治体、保健所、水質検査機関、浄水器メーカーなどへ相談し、給湯器の使用条件については給湯器メーカーへ確認することをおすすめします。
井戸水による給湯設備のスケール対策を検討されている場合は、エミールも選択肢の一つとしてご検討ください。
エミールについては、以下より資料請求・お問い合わせいただけます。
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フィルター交換不要で、メンテナンスの負担も抑えられます。





