セントラル浄水器の選び方|性能・維持費・設置条件を確認

この記事でわかること
  • セントラル浄水器の仕組みと導入目的
  • 除去性能・流量の確認方法とPFOS・PFOAの水質基準
  • カートリッジの維持費と設置条件
  • 家庭用エミールとの違い

「家中のどの蛇口からもキレイな水が出るようにしたい」と、セントラル浄水器(元栓直結型浄水器)の導入を検討される方が増えています。

しかし、ひとくちにセントラル浄水器といっても、製品によって除去できる物質や一度に流せる水の量、年間のランニングコスト、設置に必要なスペースなどはさまざまです。

本体の購入価格だけで決めてしまうと、「シャワーの水圧が弱くなってしまった」「毎年のフィルター交換が想像以上に面倒で費用がかさむ」といった思わぬ後悔につながりかねません。

また、「水道水に含まれる残留塩素や不純物が気になる」のか、それとも「水回りのヌメリや配管の汚れ・劣化を抑えたい」のかによって、選ぶべき設備の正解は大きく変わってきます。まずは導入の目的を明確にしたうえで、日々の暮らしにフィットするものを見極めていきましょう。

セントラル浄水器を選ぶ前の確認事項

セントラル浄水器は、住宅の水道メーターのすぐ近く(給水管の大元)に設置し、住まい全体へ供給される水をまとめてろ過する設備です。

具体的な製品選びを始める前に、まずは「除去したい成分」、「家のどの場所でその水を使いたいのか」という2つのポイントを押さえておきましょう。

セントラル浄水器でできること

セントラル浄水器の最大の魅力は、大元で一括ろ過するため、キッチンの飲み水や料理用の水だけでなく、お風呂のシャワー・湯船、洗面所、さらには洗濯やトイレに至るまで、家中の蛇口からろ過された水が使える点にあります。

ただし、配管の引き込み方によっては、屋外の散水栓や一部の系統が浄水器を通らないケースもあります。「庭の散水栓やガレージの水も浄水にしたいのか、それとも不要なのか」を含め、ご自宅の配管経路でどこまでカバーできるかを施工業者に事前に確認してもらうと安心です。

また、取り除ける物質の種類や割合は、採用されているろ材(活性炭、不織布、中空糸膜など)によって大きく異なります。「家中まるごと浄水」というキャッチコピーのイメージだけで判断せず、ご自身が不安に感じている物質がきちんと除去対象に含まれているか、カタログや仕様書でしっかりとチェックすることが大切です。

飲用水だけの浄水器との違い

「キレイな水を使いたい」という目的が主に飲み水やお料理用なのであれば、キッチンのシンク下や蛇口に取り付ける一般的な浄水器でも事足りるケースもあります。

セントラル浄水器は、お風呂や洗濯、トイレなどの生活用水も含めてすべて処理するため、キッチン専用の浄水器と比べて通過する水量が圧倒的に多くなります。その分、本体サイズも大きくなり、フィルターの交換頻度や維持費も高くなる傾向があります。

「お風呂のお湯の塩素刺激を和らげたい」「洗顔や洗濯にもキレイな水を使いたい」といった、生活用水まで浄水にしたい明確な理由があるかどうかを一度じっくり考えてみてください。設置範囲をどこまでにするかが決まれば、必要なろ過性能やランニングコストの現実的な比較がしやすくなります。

エミールなら、家の水を“活水化”しつつ、残留塩素基準に配慮。
フィルター交換不要で、メンテナンスの負担も抑えられます。

性能を比較する際のポイント

製品を比較する際は、フィルターの除去性能だけでなく、「一度にどのくらいの勢いで水を流せるか(流量)」もチェックしましょう。いくら不純物をしっかり取り除けても、朝の忙しい時間帯などに家族が複数の場所で水を使った途端、水圧が極端に落ちてしまっては毎日の生活にストレスを感じてしまうためです。

除去対象物質と総ろ過水量

塩素や濁りなどの除去性能と試験条件を確認しましょう。総ろ過水量は、一定の性能を保ってろ過できる水量の目安です。表示された除去率のパーセンテージだけでなく、その性能をどのくらいの水量まで維持できるか(何万リットルまで確認されているか)を併せて見る必要があります。

消費者庁の浄水器の表示ガイドでも、除去対象物質ごとに総ろ過水量や試験結果を表示することが推奨されています。家族の人数だけで交換時期を見積もるのではなく、お風呂や洗濯などで消費する生活用水の量も含めて、製品ごとの条件を確認することが大切です。

参考:消費者庁「浄水器」

また、有機フッ素化合物(PFAS)が気になる場合は、まず地域の水道局が公表している水道水の水質検査結果を確かめてみましょう。

PFASの一群であるPFOSおよびPFOAは、2026年4月1日から水道水の水質基準に位置づけられ、基準値は2物質の合計で50ng/L以下と定められています。水道事業者等には、この基準の遵守と定期的な水質検査が義務付けられています。

つまり、現在の水道水は、PFOS・PFOAについても国が定めた基準に基づいて、日常生活での飲用には問題のないレベルの管理が徹底されています。通常の生活で水道水を利用する場合、PFASについて過度に心配する必要はないと考えられます。ただし、井戸水使用の御家庭などで、PFOS・PFOAの除去を目的にセントラル浄水器を選ぶ場合は、その2物質に対する第三者機関の試験結果や除去率、フィルターの交換条件が明記されているかも確認しましょう。

参考:環境省「よくある質問」Q5 水道の水を飲んでも大丈夫ですか

ろ過流量と水圧低下

ろ過流量とは、1分間などの一定時間にどれだけの水をろ過して流せるかを示す数値です。

セントラル浄水器を選ぶ際は、「朝の出勤前にシャワーを浴びながら洗濯機を回し、キッチンで朝食の準備をする」といった、ご家庭で最も水の使用量が集中する時間帯やシーンを明確にし、十分な流量が確保できるかを確かめるのが失敗を防ぐポイントです。

また、水がフィルターを通過する際にはどうしても一定の圧力低下(水圧の低下)が発生します。ご自宅の給水水圧や配管の太さ、さらには給湯器が正常に着火・作動する圧力条件を満たしているかも合わせて確認しましょう。「〇人家族向け」という大まかな目安だけで選ばず、同時使用時にどの程度の流量を見込めるかをプロに聞いておくと安心です。

維持費と設置条件の確認

セントラル浄水器の検討で見落としがちなのが、導入後のランニングコストと日々のメンテナンス性です。本体代や初期設置工事費だけでなく、毎年必要となるカートリッジの交換費用や定期点検費を含めたトータルコストで比較検討することが大切です。

また、本体を置くスペースがあるかどうかに加え、実際にカートリッジを抜き差しする作業スペースが十分に確保されているかも、忘れずに現地で確認しておきましょう。

カートリッジ交換と管理方法

カートリッジの交換に関しては、事前に以下のポイントを確認しておくことをおすすめします。

  • カートリッジの交換目安(使用期間または総ろ過水量)
  • 交換用カートリッジの部材代と、作業を依頼する場合の出張・作業費
  • 自分で手軽に交換できる構造か、専門業者の訪問交換が必須か
  • 定期配送やメンテナンス契約を結ぶ場合、月額・年額の料金や契約条件

また、旅行などで長期間家を留守にした後の通水方法(水抜きや捨て水の手順)や、交換時期の確認方法も取扱説明書で確かめます。導入時には、家庭内で誰が交換時期を管理するのかや、万が一の故障・水漏れ時の連絡先まで確認しておくと安心です。

塩素を大幅に除去する元付タイプの浄水器を使用する場合は、水道水が本来持つ残留塩素による衛生保持効果が低下する点にも注意が必要です。特に台所やトイレなどの水回りでは、使用状況によってはぬめりや汚れ、黒ずみなどが生じやすくなる場合があります。

飲み水の味やにおいを改善する一方で、「よりきれいな水」を求めて塩素を除去した結果、水回りの衛生管理に別途注意が必要になるケースもあります。用途や設置場所に応じて、塩素除去の程度を検討することが大切です。

家庭用エミールという選択肢

水道水の水質検査結果やご自身の利用シーンを振り返ったうえで、「メンテナンスフリーで、水回りのヌメリや配管の汚れ・劣化を抑えたい」という場合には、家庭用エミールをご検討ください。エミールは、フィルターで不純物をろ過・除去する浄水器とは仕組みが異なり、水質を変えずに水回り設備や配管へ働きかける水処理システムです。

セントラル浄水器との違い

主な違いは、「水に含まれる成分を除去するかどうか」と「定期的な交換部材の有無」にあります。

比較項目セントラル浄水器家庭用エミール
主な目的製品ごとの除去対象物質を取り除くスケールやヌメリの付着対策など、水回り設備や配管を保全する
仕組みろ材を使って水をろ過するセラミックスに水を接触させ、水に含まれる成分は除去しない
交換部材製品ごとの条件に従ってカートリッジなどを交換するフィルターやカートリッジの定期交換は不要

「不純物のろ過・除去性能を求めるのか」、それとも「フィルター交換の手間や費用をかけずに住まいの水回り設備や配管を長くキレイに保ちたいのか」、ご自身の優先順位に合わせて比較検討してみてください。

セントラル浄水器と活水器の詳しい違いについては、以下記事もご確認ください。

参考ページ:
セントラル浄水器と活水器の違い

給水元に設置する仕組み

家庭用エミールもセントラル浄水器と同様に給水元に設置し、本体を通った水を家全体の給水・給湯設備へ送ります。

本体内部の特殊セラミックスを水の流れる力で流動・接触させる構造のため、電気代などのランニングコストや電源工事は一切不要です。

設置をご検討いただく際は、水道メーター周りの配管ルートや使用水量、設置スペースを確認させていただきます。「お風呂やキッチンのシンクに付く水垢やヌメリを少しでも楽に掃除したい」「給湯器や配管をできるだけ長持ちさせたい」など、水回りで気になっているお悩みや配管の状態をお聞かせいただければ、それぞれの暮らしに合わせた最適なご提案が可能です。

詳しい構造や仕組みについては、家庭用水処理システム「エミール」の仕組みをご覧ください。

目的と維持条件による選び方

セントラル浄水器を検討する際は、「何を除去したいのか」という目的に加え、家族全員が快適に使える「流量(水圧)」、毎年かかる「維持費」、そして無理なく設置できる「スペースや配管条件」の4つを丁寧に確認して選ぶことが成功の秘訣です。特にPFOS・PFOAなどの物質が気になる方は、まずはお住まいの地域の水道水質検査結果を確かめることから始めてみてください。

一方で、「水質はそのままで水回りの設備や配管を長持ちさせたい」「カートリッジ交換の手間や毎年の維持費を抑えたい」という方には、家庭用エミールがおすすめです。ご自宅の状況やライフスタイルに合わせて何がベストか迷われた際は、ぜひお気軽にご相談ください。

エミールなら、家の水を“活水化”しつつ、残留塩素基準に配慮。
フィルター交換不要で、メンテナンスの負担も抑えられます。

監修者

鬼村氏のイラスト

エミール・ジャパン(株) 九州支店

技術本部 鬼村

浄水器を選ぶ際は、何を除去したいのかを明確にし、流量や維持費なども含めて、ご家庭の目的に合った方法や製品をしっかりと検討することがおすすめです。